審美歯科

セラミック治療と保険治療の違いとセラミック治療が増えた理由

2017.08.21

 最近、芸能人が行い人気上昇中の審美歯科ですが、そのひとつにセラミック治療があります。 虫歯などが原因で歯を欠損した時、その部分に詰め物や被せ物をしますが、今までは金属を選択することが多かったです。しかし、最近では金属ではなく白いままが良いという方が多くなり、セラミック治療を選択する方が増加しています。

銀歯とセラミックの違い

銀歯とセラミックの違い
 日本人は欧米先進国と比べて、詰め物や被せ物、差し歯になどの歯の治療に関しては、金額などの理由から保険治療、いわゆる銀色の金属素材のものを選択する傾向が高いです。
しかし、銀歯にはデメリットが多くあります。
 一つ目は、歯を開いたときなどの見ための悪さです。
 二つ目は、銀歯の金属がイオン化して溶け出すことによって、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。また、歯茎を黒っぽく変色させる可能性もあります。
 三つ目は、銀歯の下で虫歯になりやすいことです。銀歯は、接着しているわけではなく隙間を埋めている状態です。また、徐々に溶け出して、隙間ができればその隙間に細菌や汚れが入り込むため虫歯になりやすいです。
 それに対してセラミックは、多くのメリットがあります。
 一つ目は、セラミックは天然の歯の色と近く、治療後も自然な見た目できれいに仕上げることができます。
 二つ目は、セラミック治療では、金属素材を使用していないので、金属が溶け出すことによる金属アレルギーの心配がありません。また、同様に歯茎が変色する心配もありません。
他にも、プラスチック製のもので起こる可能性がある環境ホルモンが溶け出すこともません。
 三つ目は、プラスチック素材などは、黄ばみなどが起こるが、それが起こりにくく、また歯垢もつきにくいため毎日のケアによって長期間美しい白い歯の状態で維持できます。
 デメリットとしては、銀歯と違い自費治療になるので、保険治療と比べて治療費が高価であることです。また、万一破損したときは、修理が難しいため再度作成必要があることです。
 最近では、銀歯による金属アレルギーの恐れなどや見た目を気にする方も増加していきており、セラミック治療による、白く美しい歯での治療を希望する方が増えてきています。
また、古い金属の詰め物・被せ物をセラミックの歯に替えるかたも増加しています。

セラミック素材の種類について

 一口にセラミックと言っても治療に使うものには様々な種類がありますので、代表的なものをいくつか紹介していきます

●オールセラミック
 すべてがセラミックでできています。セラミックとは、陶器のことをいいます。天然の歯と同じような自然な白さ、透明感を出すことができます。
強度としては、非常に強固なものですが、衝撃には弱く欠ける恐れもあります。

●ジルコニアセラミック
 金属の代わりにジルコニア(鉱物)を使用した芯にセラミックを焼き付けたものです。透明感があり、天然の歯に近いツヤを持つため美しく仕上げることができます。
また、金属素材ではないため、金属アレルギーの心配もありません。人工ダイヤモンドとして知られるジルコニアを芯に使用しているため、奥歯などの力が強くかかるところでも、金属素材に頼ることがなくなりました。

●ハイブリッドセラミック
 プラスチック用の素材(レジン)とセラミックを混ぜ合わせた素材です。ハイブリッドセラミックはレジン材料よりも変色が起こりにくく、通常のセラミックよりも費用は安価です。
また、通常のセラミックよりも欠損しにくく、柔らかいというメリットがあります。
しかし、通常のセラミックよりも透明感が劣りセラミックと違い長期期間では変色がおこる。また、金属を使用しているため、金属アレルギーの患者様は使用できなく、また歯肉がやせてくると、金属が露出して歯茎に黒いラインが見える恐れがります。

●メタルボンドセラミック
 メタルボンドセラミックは、裏側を金属で補綴したセラミックの歯の事です。セラミックはハイブリッドセラミックではなく、オールセラミックのため透明感のあるきれいな仕上がりになります。
また、裏側を金属で補綴しているため、強度もあります。また、着色しにくいとういメリットもあります。
 しかし、裏側に金属を使用しているため金属アレルギーの方は使用できない可能性があり、また歯肉がやせてくると、金属が露出し歯茎に黒いラインが見える場合もあります。

●ラミネートべニア
 ラミネートべニアとは、歯が変色している場合、表面だけに虫歯がある場合などに歯の表面を薄く削って人工歯を張り付ける治療方法です。歯を削るといってもエナメル質のごく一部のみ削るだけなので、歯へのダメージは少ないのがメリットの一つです。
また、比較的短期間で治療を完了することができます。しかし、嚙み合わせなど過度の力が加わったら、歯に張り付けたセラミックが欠けてしまうことがあるので注意が必要です。

●e-max
 透明感がとても高い素材で天然の歯のような透明感、審美性を再現することができます。
また、金属でないため金属アレルギーの心配や金属溶出による歯肉部の変色の恐れもありません。強度に関しても、硬さが、天然の歯と変わらず、天然の歯に過度な摩耗させることがありません。しかし、歯を削る量が比較的多いため、形成する術者、作成する技工士によって適合、色調再現性に差がでる可能性があります。また、透明性が高いため、形成した元の歯の色が反映されてしまい、希望の歯の色を再現することが困難です。

 上記の通り、様々な素材がありますので、現在通われている歯医者さんと相談して、ぴったりな素材と治療方法を見つけてください。

セラミックの費用とその効果

セラミックの費用とその効果
 日本人は、保険治療を選びがちだが、近年ではその傾向になく徐々に銀歯を白い歯に替える人も多くなっています。
 また、昔からの銀歯を白く替える人も増加しています。増加はしていますが、まだまだ保険治療を選択している人が多いです。
セラミック治療を足踏みする理由としては、費用目が大きく関係していると思われます。そこで、簡単にセラミック治療の費用を紹介していきます。
(医院によって多少の誤差はあります。)
また、同じ素材でもインレー(奥歯に入れる部分的な歯)とクラウン(前歯、奥歯に被せる冠)では治療方法が違うため費用が違ってきます。

[被せ物の種類と料金]
●オールセラミッククラウン:1歯 ¥80,000~¥120,000程度
 特徴としては、天然の歯に近い透明感や質感があるため自然な白い歯を得れることができる。また、変色の恐れもほとんどありません。
 銀歯が目立つのが気になる方や軽度のすきっ歯が気になっていて白くてきれいな歯を手に入れたい方におススメです。

●ジルコニアクラウン:1歯 ¥100,000円~¥200,000円程度
 特徴としては、外側がセラミックで内側がジルコニアできており、天然の歯と同様の白さと金属同様の強度をもっています。
また、変色の心配もありません。治療後も白い歯のままでいたく、しっかり噛めるようになりたい方におススメです。

●ハイブリッドセラミッククラウン:1歯 ¥40,000円~¥120,000円程度
 特徴としては、セラミックとプラスチックを混合している被せ物のため、時間が経つにつれて変色してしまう恐れがあります。
オールセラミックなどよりも比較的安価になるため、費用面で懸念があり銀歯などには抵抗がある方におススメです。

●メタルボンドクラウン:1歯 ¥70,000円~¥150,000円程度
 特徴としては、外側がセラミックで内側が金属でできているので、耐久性があり丈夫だが色味に関してはオールセラミックより劣ります。
また、金属を使用しているので金属アレルギーや金属溶出による歯茎の変色の恐れもあります。耐久性があるので、奥歯の銀歯がきになり白くしたい方におススメです。

[詰め物の種類と料金]
●セラミックインレー 1歯:¥20,000~¥40,000程度
 特徴としては、オールセラミッククラウンと同様に天然の歯と近く、変色の心配もほとんどないことです。また、金属を使用しないため溶けてしまう恐れがなく自然な歯の色を再現することができます。
銀色の詰め物が気になる方や白いきれいな歯にしたい方におススメです。

●ハイブリッドセラミックインレー 1歯:¥20,000~¥40,000程度
 特徴としては、ハイブリッドセラミッククラウンと同様にセラミックとプラスチックを混合して作られているので、時間が経つことで変色の心配はあります。
しかし、セラミック治療においては比較的安価のため費用が気になる方で白くしたい方におススメです。

 以上が、代表的なセラミックの治療の費用になります。費用面でセラミックの治療を躊躇してしまう方が多いと思いますが、白くて美しい歯は相手に好印象を与えることが多いですし、また何より金属による歯茎の変色や金属アレルギーなど健康面でも心配はいりません。
他にも、虫歯になりにくかったり、色の変色や劣化がなく長期間において、白くて美しい状態を保つことができますので、高額な費用ですが、今後のことを考えるときれいな見た目と安全を手に入れることができるため高すぎる費用ではないということです。

セラミッククラウンができるまで

 今まで、紹介してきたセラミッククラウンができる行程の例を紹介します。
ご紹介する行程に関しては、一つの例になりますのでご参考にしてもらえればと思います。

1)歯科医院で歯の型を取る
  セラミッククラウンを被せる為に、必要な量のみ歯になるべくダメージを与えないように形を整えます。歯の形が整え終われば、その歯の形をシリコン印象剤を使用して、正確に再現できるように型をとります。その型を技工士さんにお渡しします。

2)技工所で歯型から模型を作成
 気泡を入れないように注意しながら、歯型に石膏を流します。石膏が固まれば、患者様の口の中を再現した模型が完成します。石膏模型に台座を取り付け、歯を切り分けることで作業用の模型が完成し、オールセラミックの作成が進められる。

3)レーザースキャナーで歯の形を読み込む
 歯科技工所からデータをプロダクションセンターに送信して、プロダクションセンターで自動的にセラミッククラウンの内冠を製作します。完成後、技工所にとどきます。

4)プロダクトセンターでコーピング作製
 千葉県幕張市にあるノーベルバイオケア社のプロダクトセンター。 技工所より送信されたデータはこちらに届けられます。 受信したデータを元にあとは機械がセラミッククラウンの内冠となるコーピングを自動で作成してくれます。

5)コーピングが技工所に到着
 技工所からデータを送信してから数日後、プロダクトセンターからコーピングが送られてきます。オールセラミッククラウンのコーピングは強度が高く、天然歯に近い透明感と白さを持っています。金属のコーピンとは違って、金属アレルギーや歯、歯茎の変色などが起こりにくく、現在前歯の治療に最も多く使われるセラミックです。

6)技工士がコーピングにセラミックをもりつける
 完成したコーピング。歯に近い色をしていて、光を透過する性質があるので、本当の歯のような色と透明感を再現することができます。
このコーピングの上にセラミストと呼ばれる技工士さんが、セラミックを築盛して焼き付けていきます。
 セラミックの粉を専用の液体で溶かしてペースト状にして、何層にも分けて筆でコーピングの上に盛りつけていきます。1本の歯を作るために10種類以上のセラミックを使います。
 実際のお口の中の写真を見ながら色を合わせていきます。大まかな歯の形が完成すると、一度高温の炉の中に入れてセラミックを焼いて固めます。細かな内部構造や色を出していくためにこの工程を何度か繰り返します。

7)仕上げ
 焼き上がったセラミックの歯の形を調整して、表面の質感をドリルのような機械を使って与えていきます。その後数種類の研磨用バーを使って表面のつや出しをします。
最後に低温の炉の中で、表面を一層だけ焼いてツルッとした質感に仕上げます。
オールセラミッククラウンの完成です!すべての技工物は紫外線滅菌を施された後、歯科医院に届けられます。

8)セラミッククラウンを患者様にセットする
 多くの行程を経て、ついにオールセラミッククラウンが患者様のお口に装着される流れになります。色、形とも回りの天然の歯と遜色なく馴染むように歯科医師の方をはじめ歯科技工士やメーカーの方の力があわさることによって、患者様に満足してもらえるものが作られています。
 

 ここまで、保険治療と違い自費治療のセラミックメリットやデメリット、様々な種類、治療の費用面などのことをお伝えしてきましたが、参考になりましたか?もし、セラミックに興味を持って治療したい方がいましたら、自費治療の実績や症例の実績を参考にして治療する歯科医院を決めているのも一つですが、分からないことがあれば直接問い合わせてみるのがおススメです。


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