●欠けた破片を生理食塩水、または牛乳に漬けておく
前歯が欠けてしまったら、破片をいち早く見つけて乾燥させないように、すみやかに生理食塩水か牛乳に浸しておきましょう。差し歯が欠けた場合には生理食塩水や牛乳に浸す必要はありませんが、破片を後ほどくっつけられる場合もあるため、タッパーなどに入れ大切に保管しておきましょう。
●すみやかに歯医者を受診する
前歯が欠けてしまった場合、天然歯の場合は特に、その部分から虫歯になりやすくなったり、中に雑菌が入ってしまったりする恐れがあります。また、欠けた部分が鋭利になっていて、唇や舌を傷つけてしまうこともあります。なるべく早めに歯医者を受診するようにしましょう。
●欠けた破片を捨てない
欠けてしまった歯の破片を「どうせもういらない」と捨ててしまう人がいますが、くっつけられるケースもありますので、破片は捨てないようにしましょう。
●欠けた破片をティッシュなどに包んでおかない
欠けた歯の破片をティッシュに包むのもよくありがちなのですが、これもよくありません。破片が乾燥して元どおりくっつけられなくなってしまう場合もありますし、ゴミと間違って捨ててしまうことも多いからです。
●欠けた破片を勝手にくっつけない
特に前歯が欠けたケースだと、見た目を気にして瞬間接着剤でくっつけてしまう人がいます。欠けた表面は汚染されていますし、大抵はズレて固定されてしまいます。せっかくきれいにくっつけられたであろうケースでも、結局削り取らなければならなくなってしまうため、自分で勝手にくっつけることはやめましょう。
●患部をいじらない
欠けた患部を触りたくなる気持ちはわかりますが、神経が露出してしまっているケースなどでは、細菌感染を引き起こしてしまう恐れがあるため、患部はいじらないようにしましょう。
●前歯が少し欠けてしまった場合
前歯がエナメル質の範囲内でほんの少しだけ欠けてしまっているケースでは、エナメル質が残っている限り、歯を守る機能としては問題ありません。また、見た目にも特に影響が出ないことが多いです。また、その部分に詰め物をしたところですぐに取れてしまうため、欠けて鋭利になっている部分をなだらかに整えるだけでも大丈夫です。
象牙質の部分まで欠けてしまっている場合には、かけてしまった破片が隙間なくぴったり合えば、接着剤でくっつけることが可能です。破片がなくなってしまっている場合や、合わない場合には歯科用のプラスチックであるコンポジットレジンで違和感なく、審美的に治すことができます。
●前歯が大きく欠けてしまった場合
前歯が大きく欠けてしまって神経が露出しているケースでは、汚染された神経を取り除く治療が必要になります。神経の治療が終わったら、欠けてしまっている状態に応じて、コンポジットレジンで修復する場合もありますが、欠けた範囲が広範囲だと早期に外れてしまいやすいため、通常は被せ物で対処することがほとんどです。被せ物には保険の硬質レジン前装冠、自費ではオールセラミックなどがありますが、審美的な面、歯茎に対する影響などを総合的に考えると、オールセラミックにするのがおすすめです。なお、歯が欠けてしまってから最終的な被せ物が入るまでは、仮歯を入れることができますので、見た目の心配はありません。
●歯が根元から欠けてしまった場合
歯が根元から欠けて、表からは歯が全く見えないような状態の場合、欠けている位置によっては神経の処置をして被せ物で対応できますが、骨よりも深い位置で欠けている場合には抜歯しなければならないこともあります。前歯が抜歯になった場合には両隣の歯を削ってブリッジにするか、インプラントをするかのいずれかになることがほとんどです。
いずれにしても、歯が欠けてしまった場合は一度歯医者を受診するようにしましょう。痛みがないからといって放置することだけはしないようにしてくださいね。
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