審美歯科

笑うと歯茎が見えてしまうガミースマイルの原因と対処法

2018.10.4
笑った時には上の唇が持ち上がり、上の歯や歯茎が見えるようになりますが、笑った時に大きく歯茎が見えて目立ってしまう場合、「ガミースマイル」と呼ばれます。笑った時の歯茎の見え具合は人それぞれで、全く見えない人もいれば、大きく見える人もいます。一般的に男性よりも女性の方が歯茎が見えやすく、ガミースマイルの悩みを抱えているのも女性の方が多いと言えます。今回は、ガミースマイルの原因や対処法についてご紹介していきます。

どのくらい歯茎が見えたらガミースマイル?

どのくらい歯茎が見えたらガミースマイル?
ガミースマイルというのは、ガミー(gummy)なスマイル、つまり歯茎を見せたスマイルということからそのように呼ばれています。しかし、歯茎が見えたからといって全てがガミースマイルというわけではありません。ガミースマイルの基準としては笑った時に歯茎が3ミリ以上見えたらガミースマイルだとされています。ただし、ガミースマイルだからと言って治療が必要かというと、そういうわけでもありません。ガミースマイルだからと言って、ただちに健康に害があるとも言い切れないからです。ガミースマイルの場合、歯茎が大きく見える状態をご本人が気にされていることが多く、もしその状態がコンプレックスになっているような場合に、治療を希望されるというパターンが多いと言えるでしょう。

ガミースマイルの問題点

ガミースマイルの問題点として、本人にとって心理的コンプレックスになりやすい、というのがまず挙げられます。そしてガミースマイルの程度により、つまりガミースマイルが重度の場合、歯や歯茎にとって悪影響となることがあります。ガミースマイルの原因にもいくつかあるのですが、上の顎の骨自体が前に出ている出っ歯が原因の場合、唇が閉じられず、歯や歯茎が常に乾いている状態になりやすくなります。そうすると、唾液の自浄作用や殺菌作用がうまく行われず、虫歯や歯周病になりやすい、また口臭の原因になってしまうこともあります。このような場合には、この出っ歯の状態を治しておいた方が見た目の改善だけでなく、歯を長持ちさせることにも繋がっていきます。

ガミースマイルの主な原因

ガミースマイルの主な原因
ガミースマイルの対処法や治療法を知るためには、まずガミースマイルになってしまっている原因というのを探る必要があります。ガミースマイルの原因としては次のようなものがあります。

1.歯茎が多く被っていて歯が短く見える
通常よりも歯茎が歯を多く覆っていると、歯が小さく見え、歯茎の範囲が広くなり、笑った時に露出しやすくなります。

2.上唇が薄い、上唇が笑う時に上がりすぎる
上唇がもともと薄い場合、歯茎が唇で隠れにくくなります。また、上唇を持ち上げる筋肉が発達している人は、笑った時に上唇が上に持ち上がりやすく、歯茎が大きく見えてしまう傾向があります。

3.骨格・噛み合わせが原因
上顎のもともとの骨格が前に出っ張っていたり、上顎の骨が縦方向に長いと、歯茎の部分が大きくなり、ガミースマイルになりやすくなります。また、上下の噛み合わせが悪い場合にも、起こる場合があります。

大まかに上の3つの原因がありますが、実際はいくつかの原因が重なり合ってガミースマイルになっていることがほとんどです。

ガミースマイルの対処法

その原因によっていくつかの対処法や治療法が存在します。

歯茎が歯を大きく覆っていることが原因の場合には、歯茎を整形して余計な歯茎を取り除き、整えることでガミースマイルを改善することができます。

上唇が原因の場合には、強すぎる唇の筋肉の力を弱めることのできるボトックス注射を行うことで、上がりすぎる上唇を抑えて歯茎を見えにくくすることができます。しかしこの方法は、いずれボトックスの効果が切れてしまうため、効果がなくなったらまた再度行う必要があります。もう一つの方法としては、上唇切除術があります。上唇の内側の粘膜を短く整形することで、上唇の厚みを増すことができ、歯茎をより見えなくすることができます。

骨格、歯並びが原因になっている場合、矯正治療を行うことでガミースマイルも治る場合がありますが、上顎の骨の出方が大きい場合には、骨を切って引っ込める治療をしなければ改善しない場合もあります。もし、顎の骨が出ていることによって顎関節症を起こしてしまっている場合には、「顎変形症」という病名のもと、保険適用で顎を切る手術と矯正治療を行うことができるため、見た目がきれいになるだけでなく、かなり費用を安く抑えることができます。

自分である程度治せる場合も

ガミースマイルは、自分の努力である程度治せる場合もあります。笑う時に上唇をなるべく上げないように、鏡を見ながら訓練することで、その笑い方が自然とできるようになってくるでしょう。コツとしては、横に唇を引っ張るように笑顔を作ることです。この方法をやってもガミースマイルが気になる、という場合には歯科医師に相談し、原因を突き止め、解決方法のアドバイスをもらうと良いでしょう。


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