審美歯科

予防歯科で歯を健康で美しく保とう!歯医者さんのプロケアってどんなことをする?

2018.10.10
虫歯や歯周病を防ぐために実践する予防歯科ですが、具体的には自分で行う毎日のセルフケアと、歯医者で受けるプロケアがあり、健康で美しい歯を保ち続けるためにはどちらも必要不可欠です。今回は、歯医者でのプロケアについて、どのようなものがあるのか、どんなことをするのかについて見ていきましょう。

なぜプロケアが必要?

なぜプロケアが必要?
歯磨きを毎日しっかりやっているから大丈夫と思っていませんか?でも、毎日歯磨きをきちんとしているつもりでも、虫歯や歯周病にかかってしまう人が多いのが現状です。その理由として、まず、多くの場合、本人は磨いているつもりでも実はあまり磨けていないということが一番に言えるのですが、実際、かなり歯磨きが上手な人であっても自分で行う歯磨きだけでは汚れを100%取り切ることはほぼ不可能なのです。しかも日本人のほとんどは日常の歯磨きを歯ブラシだけで行なっていますが、それだと取りきれる汚れはせいぜい6割程度だと言われています。デンタルフロスを併用しても汚れの9割取れるか取れないか、くらいなのです。そのため、歯磨きで取りきれない汚れは歯医者で取ってもらわなければ、のちに虫歯や歯周病の原因になってしまいます。

また、虫歯や歯周病は、ひどくならないとそれほど症状を出さないため、自分では歯の健康状態がわからず、「痛いところがないから自分はどこも悪くない」と思い込んでしまっていることがよくあります。「特に症状がないから」、と放っておくと、気がつかない間に虫歯や歯周病が進行して、症状が出る頃には手遅れになってしまうことも少なくありません。

そのため、何の症状がなくても定期的に歯医者を受診し、悪いところがないかのチェックをしてもらい、日常の取り残した汚れが何か悪さをする前に、しっかりと取り除いておくことが、健康な歯を維持していくためにはとても重要なのです。

歯医者で受ける予防歯科にはどんなものがある?

歯医者で受けられる予防歯科として、一般的なのは次のようなものです。

●歯の検診
歯の健康状態をチェックします。虫歯や歯周病の検査、詰め物や被せ物があればその状態の確認をします。必要に応じてレントゲンをとって詳しく検査することもあります。

●歯石除去
歯石は個人差がありますが、誰でも多かれ少なかれついてくるものです。歯石は歯周病を悪化させてしまう原因になりますので、歯医者で定期的に取り除いていきます。歯の表面についている歯石、歯茎の溝(歯周ポケット)の中に隠れている歯石をそれぞれ分けて取っていきます。歯石の付き具合によってかかる回数は変わってきます。

●歯のクリーニング(PMTC)
普段の歯磨きで取り除くことのできない汚れを、専用の器具や機械で丁寧に、徹底的に磨いて取り除いていきます。このようなクリーニングはPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaningの頭文字)と呼ばれています。PMTCを行うことにより、自宅での歯磨きで取り残した歯垢が、虫歯や歯周病を起こすのを防ぐことができるのと同時に、歯の着色もきれいに取れ、ツルツルな歯面に仕上げることで、歯垢や着色を付きにくくする効果があります。

●ブラッシング指導
歯並びやお口の状態というのは、一人一人違います。そのため、歯の磨き方というのも、人それぞれに合った磨き方というものがあります。プロの目で磨き残しの状態などを細かくチェックし、その人にあった磨き方を指導することで、家庭でのケアがより効果的に行えるようにしていきます。

●フッ素塗布
乳歯期、永久歯の生え変わり時期などはとても虫歯リスクが高い時期です。そのため、定期的に歯科医院で高濃度のフッ素を塗布し、歯を強化していくことで、虫歯リスクを下げることができます。フッ素塗布の一般的な間隔は3ヶ月に1回くらいです。

●シーラント
シーラントとは、主に6歳臼歯に行われる予防処置です。6歳臼歯は生えたばかりの頃が虫歯に大変かかりやすい時期なのですが、歯の溝部分から虫歯になるケースが多いため、あらかじめ、歯の溝に材料をコーティングして虫歯になるのを防ぎます。

自分で行うセルフケアが一番大事なのを忘れずに

自分で行うセルフケアが一番大事なのを忘れずに
歯医者で行うプロケアはとても大事ですが、虫歯や歯周病を防ぐ上でやはり一番大事なのは、家庭でのセルフケアです。「歯医者に定期的に通っているから大丈夫」と過信して、家庭でのセルフケアがおろそかにならないようにしましょう。セルフケアは歯磨きをすることのほかに、間食や食事の摂り方に気をつける、ということも含まれます。間食は極力控え、バランスのとれた食事を摂るようにして、歯垢が溜まりにくい生活をしていくことが大切です。

悪くなってからでなく、悪くならないように歯医者に通いましょう

日本では残念ながらまだまだ、「歯医者は何かトラブルが起こってから行けばいい」という考えの人が多いようです。しかし、歯や歯茎は一度悪くなって治療をしても、元の健康な状態に戻ることはありません。つまり悪くなってから治療をしていると、そのたびにだんだんと状況は悪化していき、結局は歯を早く失ってしまうことにつながります。

歯医者を苦手だという人は多いですが、これは歯医者が「痛いことをされる場所」と思っている人が多いからでしょう。それは歯が悪くなってから行くからそうなってしまうのです。予防歯科先進国のスウェーデンでは、多くの人が、「歯の健康を保つため」に歯医者に通っています。そのためか、この国では歯医者に行くのが好きな人が多いといいます。歯が悪くならないように歯医者に通うようにすれば、歯がトラブルを起こして痛い思いをしたりなど、嫌な思いをすることがあまりなくなるでしょう。皆さんもぜひ、予防歯科を実践し、お口も体も健康で快適な生活を目指してみませんか?


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