●喫煙や飲食物の色(ステイン)
タバコを吸う人やお茶やコーヒー、ワインなどをよく飲む人は特に、ヤニの色や飲食物の色素が歯につくようになります。これは厳密には歯の表面に色素が沈着してしまっているケースで、変色ではありません。
●歯垢や歯石の色
歯垢や歯石が溜まって黄白色に歯が着色したように見えることがあります。
●加齢による変色
歯を長く使っていると、歯の表面のエナメル質はだんだんと薄くなってきます。そいうするとエナメル質の内側にある象牙質の黄色い色が透けて見えるようになってきます。また、象牙質の色は加齢とともに濃くなるため、余計に黄色っぽく見えるようになります。
●虫歯
虫歯になると、初期の段階では白く濁ることが多いですが、慢性的に進行した虫歯では茶色や黒っぽく変色していきます。
●薬物の影響
歯が形成される時期に飲んだ薬の影響で、歯に変色が起こることがあります。代表的なものはテトラサイクリンと呼ばれる抗生剤で、幼児期にこの薬を飲むと永久歯に茶色やグレーの縞模様となって現れてきます。特に40代以上くらいの世代の人で見られることがあります。現在は幼児期にこの薬が出されることはほぼないと言っていいでしょう。
もう一つは、エナメル質が作られる時期にフッ素を過剰摂取すると、歯に白い斑点や茶色っぽい変色が起こることもあります。飲み水にフッ素が大量に含まれている地域で見られますが、現在の日本で水道水を飲んでいる限りは心配ありません。
●歯の形成不全による変色
遺伝性の病気で、エナメル質や象牙質がきちんと作られない「形成不全」を起こすと、歯が褐色がかった色になることがあります。
●神経が死んだことによる変色
神経が死んでしまった歯、神経を取ってしまった歯はだんだんと黒ずんできます。
●人工物(詰め物や差し歯)の着色
これは歯そのものではなく、歯の詰め物や差し歯のプラスチックの部分が変色してしまう場合です。
1.PMTC(歯のクリーニング)
PMTCとは、歯科医師や歯科衛生士による歯の徹底的なクリーニングのことです。歯の頑固な着色を落とすことで、歯が本来の白さを取り戻し、白く見えるようになります。タバコや飲食物の色が多くついていて歯の色が変わってしまっている場合には、これだけでも満足のいく結果になることが多いです。
2ホワイトコート(歯のマニキュア)
歯のマニキュアは、爪にマニキュアを塗るように歯に白くマニキュアを塗る、という感覚です。市販のものもありますが、その日限りで取れてしまうものと考えた方が良いでしょう。歯科医院で行うものは、一般的に白さは1〜3ヶ月持続するようです。詰め物や被せ物も白くすることができます。
3.ホワイトニング
歯に漂白効果のある薬剤を塗布し、歯自体を白くする方法です。家庭でマウストレーをつけて行うホームホワイトニングと歯科医院のチェアーで行うオフィスホワイトニングがあります。歯の軽度な変色に効果的です。神経のない歯や人工物には効果がありません。
4.ウォーキングブリーチ
神経のない歯が黒っぽく変色した場合に行われる方法です。歯の裏側から穴を開け、薬剤を入れて、白くなるまで薬剤の交換を続けていきます。
5.ラミネートベニアを貼り付ける方法
ホワイトニングで効果の出ない重度の変色に対して効果的な方法です。歯の表面を薄く削り、その部分に歯の形をしたセラミックの歯の板を付け爪のように貼り付けます。
6.セラミックを被せる方法
歯を削ってセラミックを被せる方法です。詰め物が広い範囲で入っている歯、すでに被せ物が入っている歯、神経がない歯、形成不全の歯において効果的な方法です。この方法では、歯の色だけでなく、形や角度もきれいに整えることができます。
一般的な治療法をご紹介しましたが、個々のケースによって合う、合わないがあります。安岡デンタルオフィスでは、患者さん一人一人に合った方法を提案させていただきます。歯を白くする治療に興味のある方はぜひご相談ください。
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