見た目の問題だけではありません。歯周病は口臭の大きな原因になっている病気でもあります。歯周病の口臭というのは、常に臭っているため、自分では鼻が慣れてしまい、なかなか自分ではわかりません。しかし、周囲の人にはとてもきつい思いをさせてしまうことになります。いくら見た目を美しくしていても、口臭がひどければその努力は無駄になってしまいかねません。
1.思春期
思春期にさしかかると、女性ホルモンが多く作られるようになり、月経が始まります。その月経の周期により歯茎が腫れやすくなったり、歯茎から出血しやすいというようなことが起こり始めます。また、クラブ活動や塾で食事の時間が不規則になったり、間食が増えたりという食生活の変化、そして、歯磨きが親の管理のもとで行われなくなる、というようなことによっても、お口の環境が悪くなりがちです。
2.妊娠・出産期
妊娠すると女性ホルモンが急増します。それに伴い、お口の中のある種の歯周病細菌も活動が活発になります。また、妊娠するとお口の唾液の性状が変化し、唾液がネバネバしてくるため、お口の自浄作用が低下し、細菌が非常に増殖しやすい環境になります。それに加え、妊娠していると、つわりの影響により、気分不良で歯磨きがなかなかできなくなってしまったり、食生活が不規則になってしまったりすることもお口の状態が悪化してしまうことに拍車をかけます。
皆さんもおそらく、子供を産むと歯が悪くなるとか、歯が抜ける、というような話を耳にしたことがあるかと思いますが、これはこのような妊娠期のお口の環境の悪化が原因になっています。「妊娠すると赤ちゃんにカルシウムを取られるから歯が悪くなる」というのは真実ではありません。
妊娠中に歯周病が悪化すると、歯周病細菌が出す毒素が血液を介してお腹の赤ちゃんに「低体重児出産」や「早産」などのような悪影響を及ぼすことがわかっています。そういった意味からも、妊娠中の歯周病は特に気をつけなければなりません。
3.更年期
更年期にさしかかると、女性ホルモンが減ってきます。女性ホルモンが減るとやがて閉経しますが、この女性ホルモンというのは、骨の代謝に深く関わっているものです。女性ホルモンが欠乏すると、新しく骨が作られる速度が落ちて、骨の密度が減り、骨の質が劣化してきます。歯周病は歯の周囲の骨が破壊されていく病気であるため、この時期になると、骨の吸収が一気に進みやすくなる危険性があります。また、更年期には、唾液の分泌が減り、お口の中が乾燥しやすくなるため、歯周病細菌も繁殖しやすくなります。
歯周病対策は一生涯を通じて行う必要がありますが、女性の場合には、ホルモンバランスによって歯茎の健康が左右されやすい時期がある、ということを念頭に置いたケアを行っていくことをおすすめします。
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