安岡デンタルオフィスでも、すきっ歯に関する悩みに関して、時々患者さんからご相談を受けます。そこで今回はすきっ歯に対する治療法について、そして、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介していきたいと思います。
●歯列矯正で隙間を埋める
歯に装置をつけて歯をゆっくり動かして歯並びを整えつつ、前歯の隙間を埋めていく治療法です。歯並びの程度によって、前歯だけの矯正で済むケース、全体的に歯を並べなおす必要があるケースがあります。
矯正の装置としては、歯の一つ一つに装置をつけてワイヤーで矯正する「ワイヤー矯正」とマウスピースを装着して矯正する「マウスピース矯正」があります。
<メリット>
歯を削らず、歯を動かすことで隙間を埋めますので、健康的で、自然な美しさを再現することができます。
<デメリット>
歯に少しずつ力をかけて動かしていくため、最低数ヶ月から一年くらいは期間がかかります。また費用も数十万円〜100万円前後かかります。
ワイヤー矯正の場合は、歯に器具がつくため、食事が不便になる、口内炎ができやすくなる、というデメリットもあります。
マウスピース矯正の場合は、きちんと装着するようにしないと、歯が動かなくなるので注意が必要です。
●オールセラミックで隙間を埋める
隙間を埋めたい歯を削り、上からオールセラミックのクラウンをかぶせて隙間を埋める方法です。
<メリット>
すでに神経がない歯や、詰め物がたくさんはいっている歯の場合には、歯自体をきれいにしつつ、隙間を埋めることができるため、大きなメリットがあります。また、削ってかぶせるだけであれば、2〜3回くらいの治療で終わらせることができます。
<デメリット>
かぶせるために歯を多く削る必要があるので、健康できれいな歯の場合には歯に対するダメージが大きいと言えます。また、隙間が大きい場合には、隙間を埋めるために歯が本来より幅広になってしまったりする可能性があります。また、費用も20万〜程度くらいかかります。
●ラミネートベニアで隙間を埋める
歯の表面を少しだけ削って、その部分に付け爪をするように歯の形をしたセラミックを貼り付ける方法です。
<メリット>
歯の変色が強い歯の場合、歯を大きく削ることなく、すきっ歯も色も改善することができるのがメリットだと言えます。費用もオールセラミックより抑えることができます。施術も2回程度で終わります。
<デメリット>
きれいな天然歯の場合は、削るのが少量とは言えども、やはり「削る」というのはデメリットになります。また、オールセラミック同様、歯が幅広になってしまうこともあります。
●ダイレクトボンディングで隙間を埋める
天然の歯を削ることなく、歯科用レジンと呼ばれるプラスチックの材料を歯に接着させ、歯の隙間を埋めていきます。
<メリット>
歯を削らず、すべての治療の中で最も経済的に治療をすることができます。また、治療はその日のうちに終わります。
<デメリット>
プラスチックの材料ですので、セラミックとは違い、期間が経つと着色してきます。そのため、美しさを保つためには定期的に研磨をする必要があります。また、外れてしまうこともあります。こちらも歯の隙間を埋めるために、歯の形が幅広になってしまうことがあります。
また前歯のすきっ歯というのは、歯並びがデコボコに重なっているケースとは違い、歯の健康上において、特別虫歯になりやすいとか歯周病になりやすい、ということはありません。そのため、前歯のすきっ歯を治療する場合は、見た目がコンプレックスになっていて、どうしても治したい、というような場合に行うもの、と考えてよいでしょう。
そのため、自分自身が気にならなければ、治す必要はありません。
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