●値段の安さ(経済性)
●見た目のきれいさ(審美性)
●長持ちするか(耐久性)
●体に優しいものか?(生体親和性)
選ぶ基準となるものは、だいたい上のどれかになるかと思います。日本では、経済性を最優先して保険の材料にする人が多いように思います。しかし、残念ながら一番安い保険の材料は、あまり歯や歯茎にとってよくないばかりか、耐久性の面でも、体への優しさ、という点でもあまり好ましいとは言えないのです。
歯科で使用する材料は、主に金属、プラスチック、セラミックのいずれかになります。それぞれの材料を選んだ場合の問題点などについて見てみましょう。
●被せ物がプラスチックの場合の問題点
被せ物がプラスチックの場合というのは、主に前歯や小臼歯(前から4、5番目の歯)ということになります。まず、プラスチックというのは、強度的にあまり強くない、ということが挙げられます。その理由から、一番奥にある大臼歯ではプラスチックの被せ物をすることはありません。
また、傷がつきやすいというのもあります。これはお弁当箱やプラスチックのお皿などを想像していただくとわかりやすいですが、ついてしまった汚れはなかなか落ちにくいですよね。しかも長く使っていくと、色素が沈着して落ちなくなってしまいます。これと同じようなことが被せ物のプラスチックにも起こってしまいます。これはプラスチックに傷がつきやすいために起こるものです。この傷には色素だけでなく、数多くの細菌も絡みついてしまいます。そのため、虫歯や歯周病にかかりやすくなると考えていいでしょう。実際、ブラスチックの被せ物をしている歯茎というのは、常に赤く炎症を起こしていることが多いものです。
●セラミックの特長
1.見た目がきれい
セラミックは透明感に優れ、色の調整が細かくできるため、天然の歯のような美しさを実現することができます。また、傷がつかないため、変色することもなく、年月が経っても変わらない美しさを保つことができます。
2.耐久性に優れ長持ちする
金属やプラスチックのように変質、劣化することがないため、長く安定した状態を保つことができます。
3.虫歯や歯周病になりにくい
歯との適合がよく、歯とセラミックの間にすき間があくということがないため、虫歯になりにくい特長があります。また、セラミックには傷がつきにくいため、歯垢が溜まりにくく、歯茎にも炎症を起こしません。
4.生体親和性に優れる
セラミックは材質として安定しており、成分が溶け出したりすることもないため、体に悪影響を与えることもありません。もちろん金属を含んでないため、金属アレルギーの人にも安心です。
セラミックは保険がききませんので、比較的高額にはなってしまい、経済性としては他のものに劣りますが、審美性、耐久性、生体親和性に非常に優れた材質であると言えるでしょう。
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