欧米諸国の先進国の人に歯並びが悪い人が少ない理由として、西洋人は骨格的に顎の大きさが大きいので歯がきれいに並びやすい、ということもあるのですが、歯並びが悪い場合、子供の時期に歯並びを矯正するのが当たり前になっているということも大きな理由として挙げられます。
●欧米諸国では予防歯科が浸透している
欧米諸国ではスウェーデンのように虫歯や歯周病を予防する「予防歯科」が国民全体に浸透しているため、そもそも歯が健康な人が多い、ということもあります。またその一方で、日本のようにあらゆる歯科治療を健康保険で格安で治せるという国もないため、皆、必然的に歯を悪くしないように予防歯科に力を入れているというのもあります。歯を悪くしてしまうと、治療に大金がかかってしまうので、悪くならないよう、努力しているのです。
●欧米では銀歯が保険で受けられない
日本では、健康保険で治療をした場合、奥歯のちょっと大きめの虫歯になると、通常は銀歯となり、かかっても数千円くらいというような格安で入れることができます。それに対し、欧米先進国ではたとえ銀歯であっても、日本のように健康保険で治すことはできません。そのため、銀歯であっても日本円にして数万円と、かなりの高額になってしまいます。セラミックよりは安いですが、日本のように金額に大きな差がないため、わざわざ見た目の悪い銀歯を選ぶ人はあまりいないのです。
●銀歯のリスク
1.金属アレルギーを起こすことがある
銀歯の大きなリスクとしてよく問題に上るのが歯科金属アレルギーの問題です。銀歯に使用されている金銀パラジウム合金は金属アレルギーを起こすことがあります。この金銀パラジウム合金はまた日本が経済的に苦しかった昭和36年から使用されており、問題を指摘されながらも現在も変わることなく使われています。
2.二次カリエスを作りやすい
銀歯は強度があり、割れたりすることは滅多にありませんが、銀歯自体の劣化や、銀歯と歯をくっつけるセメントが唾液に溶け出しやすいことから、銀歯と歯との間から新たに虫歯になりやすいという弱点があります。
3.歯周病になりやすい
銀歯は表面に傷がつきやすいので、細菌が表面に溜まりやすくなります。また、銀歯と歯茎の境目の部分にも細菌がたまりやすいため、歯周病を引き起こしやすい弱点もあります。
4.口臭の原因になりやすい
銀歯と歯の間に細菌が溜まって虫歯になったり、銀歯の表面の傷や銀歯と歯茎の境目に細菌がたまりやすくて歯周病になりやすいことから、強い口臭の原因になりやすい傾向があります。
銀歯の場合はほとんどの場合、数年で再度虫歯ができるなどしてやりかえが必要になります。しかもやりかえるたびに新たにできた虫歯を削ることになるので、だんだんと歯は削られ、健康な部分を失ってしまいます。これを繰り返していくと、歯を早く失うということにつながってしまうのです。
このようなことを総合して考えた場合、セラミックは決して高いとは言えないのではないでしょうか。詰め物や被せ物を選ぶ際は、ぜひ先々のことまで考えてよく吟味して選ぶことをおすすめします。
人気コラム