1.歯がしみる(知覚過敏)
歯茎が下がってくると、元々は歯茎で覆われていた歯根が見えるようになります。歯根には歯冠(歯の頭に相当する部分)のように、表面に歯を外部の刺激から守るエナメル質がありません。そのため、歯に加わる刺激、特に温度刺激を敏感に感じ取るようになります。これが知覚過敏と呼ばれるものです。多くの場合、まずは冷たいものがしみるようになりますが、温かいものがしみることもあります。
2.ものが詰まりやすくなる
歯茎が下がると、それまで歯茎に隠れていた歯と歯の根元の部分の隙間が露出してきます。そのため、ものを食べる時にその部分に詰まりやすくなります。
3.虫歯にかかりやすくなる
歯茎が下がることによって、歯にものが詰まりやすくなること、そして歯根が露出し、エナメル質のカバーのない象牙質がむき出しになることによって、虫歯のリスクが高まります。
●若々しい歯茎とは
若々しい健康な歯茎には次のような特徴があります。
・歯茎がピンク色で引き締まっている
健康な状態の歯茎はピンク色をしています。もし、歯茎が赤かったりどす黒かったりする場合には、歯茎に歯周病など何らかの問題があると考えられます。
・歯を磨いても出血しない
健康な歯茎は歯磨きをしても出血しません。もし歯磨きをするたびに出血する場合には歯周病の疑いがあります。
・スティップリングがある
スティップリングというのは、歯茎の表面にプツプツと見られる細かな凹凸のことです。歯茎のコラーゲンが正常な状態であれば見られますが、炎症が起こるとこれが見られなくなります。
・ブラックトライアングルがない
ブラックトライアングルとは、歯茎が下がった場合に見られるようになる、歯と歯の根元の間に見られる三角形の隙間のことです。これが目立つようになると、見た目が老けてしまう原因になります。
1.歯周病
歯茎を最も下げてしまうものは歯周病です。歯周病は歯を支えている骨などの周囲の組織を破壊してしまう病気です。特に、歯石がついたまま放置している人は歯周病が進みやすく、歯石を取った後に一気に腫れていた歯茎が引き締まって歯茎が下がってしまう、というようなことが起こりやすくなります。
2.歯の磨き方に問題がある
歯茎は歯ブラシによって傷めつけられることで下がることもあります。毛が硬い歯ブラシを使っている、歯ブラシを歯に押し付けてゴシゴシ磨いている、というような人は歯茎が下がりやすいので気をつけましょう。
3.合わない詰め物・被せ物
詰め物や被せ物の縁がピッタリと合っておらず、汚れが溜まりやすい場合、その部分から歯周病が起こって歯茎が下がってしまうことがあります。
4.歯ぎしり
歯ぎしりや食いしばりのように歯に強い力がかかってしまう場合、歯を支えている周囲の組織にダメージが加わり、歯茎が下がってしまうことがあります。
5.加齢現象
歯茎は加齢現象によってコラーゲンが減少することによっても起こります。歯茎の60%はコラーゲンでできていると言われていますので、年齢を重ねることでコラーゲンが減少するのはある程度仕方ないことでもあります。
まずはブラッシングですが、これは毎日2〜3回丁寧に行うようにしましょう。特に歯と歯茎の境目にブラシの毛先を当てて、歯茎を軽くマッサージするようなつもりでやると効果的です。この時、ブラシは「かため」は避け、「ふつう」か「やわらかめ」を使い、決して力は入れないようにしてください。定期的に歯医者で歯垢や歯石を落としてもらうことも欠かしてはいけません。これで歯周病予防に大きな効果があります。
歯ぎしりをしている人は歯医者さんで相談し、歯のダメージを和らげるマウスピースを作ってもらうと良いでしょう。マウスピースを装着することで、歯や歯の周囲組織に加わるダメージを緩和することができます。
また、詰め物や被せ物の状態も定期的に歯医者さんでチェックし、合わなければ取り替えてもらうようにしましょう。
歯茎下がりを防ぐには、早め早めの対策が大事です。そのためには少なくとも半年ごとに歯医者さんを受診し、健康な歯茎を保つように心がけると良いでしょう。
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