・歯の異常なすり減り
歯に強い力がかかり続けることで、歯が大きく磨り減ってしまいます。
・知覚過敏
歯が異常に磨り減ってしまうことや、歯の根元が欠けてしまうことなどにより、冷たい水などにしみやすくなる「知覚過敏」が起こりやすくなります。
・歯周病の悪化
歯に異常な外力が加わり続けることで、周囲の骨が吸収され、歯周病が進行しやすくなります。
・歯の破折
強い力によって歯が折れてしまうこともあります。
・虫歯
歯ぎしりのせいで歯に細かい亀裂が入ることにより、その亀裂から細菌が内部に入り込んでしまったり、磨り減った部分から虫歯ができることもあります。
・詰め物や差し歯が外れやすくなる
詰め物や差し歯が入っている場合、歯ぎしりで外れやすくなってしまいます。
・顎関節症
歯に強い力がかかると、噛む筋肉や顎の関節にも相当な負担がかかります。それによって顎の痛みやお口が開きにくいというような症状を起こすことがあります。
●歯ぎしりは美にも大敵
歯ぎしりをしていると、実はとても美容にもよくありません。その理由として次のようなことが挙げられます。
・歯周病が進行すると歯が長くなってしまう
歯ぎしりで歯に異常な力がかかり続けると、歯周病が進行してしまいやすくなります。歯周病は進行すると、骨や歯茎がだんだんと下がって、歯が長く見えるようになります。また、歯と歯の間の隙間もあいてきて、見た目が一気に老けてしまいます。
・顔がたるむ
歯ぎしりで歯がすり減るにつれ、噛み合わせの高さ全体的に低くなってきます。噛み合わせが低くなると、顔の筋肉や皮膚もたるみ、結果的に顔が老けて見えるようになります。
・エラが張る
強い力で歯ぎしりをしていると、噛む筋肉が異常に発達してしまって、いわゆる「エラが張る」状態になってしまいやすくなります。
夜間に行うものは、ギリギリと音を立てる「グラインディング」のほか、グッと噛みしめる「クレンチング」そして、カチカチと歯を合わせる「タッピング」の3つに分けられます。ギリギリ音がなるグラインディング以外は特に音がしないため、自覚されにくいのですが、実は噛み締めタイプのグラインディングをしている人も多いと言われており、なおかつ歯に対するダメージが最強だと言われています。
また、日中の歯ぎしりも侮れません。日中にも意外と集中している時や緊張している時、力を入れる時などに無意識に歯を食いしばったり、ギリギリやっているものです。また、力を入れなくてもカチカチと歯を合わせるような癖も歯ぎしりの一種であり、それがしょっちゅう行われていれば、歯にとっては結構なダメージになるのです。
歯ぎしりの治療法として最も一般的に行われているのは「スプリント療法」と呼ばれる、歯ぎしりから歯を守るマウスピースをお口に装着する方法です。この方法は歯ぎしりで歯に加わるダメージを和らげることはできますが、これは歯ぎしり自体を防ぐわけではありませんし、また無意識に外してしまう人にとっては意味がありません。
そこでぜひ実践していただきたいのが自己暗示療法です。自己暗示って本当に効果があるの?と思う人もいるかと思います。ですが、日本歯科補綴学会で発表された論文によれば、自己暗示を50人に行なった結果、96%の48人に効果が出た、という結果が報告されています。
まずは日中に上下の歯を合わせるのをやめてみましょう。食事、会話以外に歯を合わせるのは歯にとって害になりますので、日中に歯を合わせていることに気づいたら離すようにしてみましょう。それを実行するだけでも夜間の歯ぎしりが改善すると言われています。また、睡眠中の歯ぎしりをさらに予防するために、入眠前にはリラックスした状態で顎の力を抜き、「歯を合わせない」と20回くらい唱えましょう。声を出すとさらに効果的です。それを続けていくことで、無意識で歯ぎしりがコントロールできる効果があると言われています。ぜひ皆さんも試してみてください!
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