審美歯科

片側だけで噛む癖は顔のゆがみにつながる!

2018.04.22
皆さんは食事をする時、普段どちら側で噛んでいるか特に意識をすることはないのではないでしょうか。でも、もし噛んでいるときにいつも同じ側だけで噛んでいるとしたらちょっと要注意です。片側だけで噛むことを「偏咀嚼(へんそしゃく)」と呼びますが、この状態が続くことによって、体にとって様々な悪影響があるばかりか、顔が非対称になって歪んでしまうこともあります。偏咀嚼になってしまう原因、偏咀嚼による悪影響などについて見ていきましょう。

偏咀嚼になってしまう原因

偏咀嚼になってしまう原因
そもそも人間というのは、噛みやすい側があっても、左右両方ともで噛む状態が自然で健康的な状態です。しかしそれが片側のみで噛んでしまう「偏咀嚼」になってしまう原因にはどのようなものがあるのでしょうか。

●歯を抜いたまま放置している
どちらかの奥歯を抜いたまま放置している人はその反対側でばかり噛むことになります。

●虫歯を放置している、痛い歯がある
虫歯で穴が開いた状態、歯が痛い状態を放置している場合、そちら側では噛むことができないので、偏咀嚼になってしまいます。根の治療などが長引いている場合にも同様なことが起こります。

●噛み合わせが悪い
片側の噛み合わせが悪い場合には、そちらで噛みにくいので、常に反対側で噛むことになってしまいます。歯の治療をして、噛み合わせの高さがうまく合わない状態や、食べるたびにものが詰まるというような状態で詰め物や被せ物が入れられ、偏咀嚼になることもあります。また、歯が抜けた後に放置していて、周囲の歯がずれて噛み合わせが崩壊しても同様にそちら側では噛めなくなります。

●テレビを見ながら食事をしている
テレビを見ながら横を向いて食べている場合、テレビを見ている側の方が噛みやすいのでそちら側でばかり噛むようになってしまうことがあります。

偏咀嚼によって起こる悪影響

偏咀嚼をすることで次のような体への影響が懸念されます。

●噛む側の歯が早く傷んでしまう
片方でばかり噛んでいると、そちら側の歯ばかりに噛む負担がかかってしまいます。そうすると歯に亀裂が入ってしまったり、歯が割れてしまうリスクが高まります。歯の亀裂から細菌が入り込み、虫歯を作ってしまうこともあります。このような歯に対するダメージが大きくなるため、結果的に歯を早く失ってしまうことになりやすいということが言えます。

●顎関節症になる恐れがある
いつも同じ側でばかり噛んでいると、噛む側の顎の関節に大きな負担がかかるようになります。それが原因で「顎関節症(がくかんせつしょう)と呼ばれる顎の関節の不調を引き起こし、口を開け閉めするときに顎の関節から雑音がしたり、口を開けると顎関節が痛んだり、口があまりあかなくなってしまうというような事態になってしまうことがあります。

●噛まない側が虫歯や歯周病になりやすい
食べ物を噛むという動作は、同時に食べ物による摩擦で歯の表面の汚れを落とすという効果もあります。また、噛むことで唾液が分泌され、その周囲が洗い流されます。ですが、噛まない側ではそのような現象が一切起こらないため、だんだんと歯垢や歯石が蓄積し、虫歯や歯周病を引き起こす原因にもなります。

●顎がずれて顔が歪む
片側でばかり噛んでいると、そちら側の筋肉ばかりが発達し、使わない側は衰え、たるんでいきます。それが原因で片方だけほうれい線が出てしまったりなど、審美的にも問題が出てしまいます。また、偏咀嚼が子供の頃からある場合、それが歯並びのずれにも繋がっていき、やがて顎の骨の成長にも影響を及ぼし、顔の骨格自体が曲がってしまうことがあります。

●様々な体の不調の原因となる
偏咀嚼をしていると、噛む筋肉は左右でアンバランスになります。このアンバランスは頭痛や首や肩のコリや痛みなどを引き起こす原因になります。また、全ての筋肉は繋がっているため、体全体のバランス感覚にも影響を及ぼし、体の様々な不調の原因となります。

左右均等に噛むことを意識しましょう

左右均等に噛むことを意識しましょう
偏咀嚼は癖になってしまっている場合もありますが、ほとんどの場合は歯の状態に問題があることがほとんどです。片方で噛めると特に不便を感じないかもしれませんが、その噛める側がトラブルを起こしてしまうと、そちら側でも噛めなくなってしまいます。そうすると残っている前歯に負担がかかるようになり、前歯が出っ歯になってしまったりする原因にもなります。また成長期の偏咀嚼は骨格の形成にも影響を及ぼすリスクがあり、骨格が歪んでしまうと、それを治すのに顎の骨を切って修正する手術が必要になることもあります。そのため、お子さんの偏咀嚼には特に注意が必要で、そうならないためには虫歯予防に注意を払うこと、虫歯ができたら早めに治療すること、定期的に歯科医院で検診を受けること、偏咀嚼している様子が見られたら早めに注意して治すなど、周囲の大人が注意してあげる必要があります。


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