審美歯科

八重歯ってかわいいけど、不健康?八重歯を治す治療法

2018.02.22
八重歯は確かにかわいいですよね。日本では羨ましがられて、わざわざ付け八重歯をする人もいるほどです。ですが、八重歯がかわいいと捉えられているのは日本だけであり、日本以外の諸外国、特に欧米では八重歯は「ドラキュラの歯」と例えられ、あまり好意的に取られることはありません。このように、日本人の八重歯は世界がグローバル化している中ではみっともない、というような理由で治すことを勧められているのを時々目にします。

しかし、八重歯を治すのは見た目だけでなく、健康的な面でも大きなメリットがあるのをご存知ですか?今回は、八重歯はなぜ不健康なのか、八重歯を治すことにどんなメリットがあるのか、そして八重歯を治す治療法にはどんなものがあるのか、についてご紹介します。

八重歯は不健康?

八重歯は不健康?
八重歯という響きにはあまりネガティブな響きはありませんが、実はこれは不正咬合のうちの「叢生(そうせい)」と呼ばれるものの一種です。不正咬合だと、歯や体にとって色々と不都合なことが起こってきます。八重歯も例外ではなく、八重歯でいつづけることによって様々な弊害が起こってきます。例えば次のようなことが挙げられます。

●虫歯や歯周病にかかりやすい
八重歯の部分は歯が重なっていますので、非常に歯磨きが難しく、必ず磨き残しが出てしまいます。磨き残しが出れば、その部分から虫歯や歯周病が起こり、そのことがいずれ歯の寿命を縮めてしまうことに繋がります。実際に高齢の方で八重歯の人、というのはあまり見かけないものです。付け加えると、歯周病は全身の健康と大きなつながりがあることがわかってきており、八重歯のせいで歯周病リスクが高まるということは、全身の病気にかかりやすくなる、ということでもあります。

●口内炎を作りやすい
八重歯は前から三番目の歯である犬歯(糸切り歯)が前に出ていますので、ふとしたことで唇を傷つけやすく、そこから口内炎ができやすくなります。このように常に刺激が加わり続けると、頻度としては高くはないのですが、口腔ガンの原因になる可能性もあります。

●顎関節症にかかりやすい
不正咬合であると、顎の筋肉や関節に異常を起こす「顎関節症」を起こしやすくなると言われています。顎関節症になると、顎周辺の痛みや顎関節の雑音、口が開きづらい、などの症状に加え、頭痛や肩こり、首の痛みなど体の他の部分の不調まで起こりやすくなります。

●他の歯に負担をかけやすく、ダメにしやすい
八重歯は犬歯が前に出ていますが、正常な噛み合わせの場合、犬歯というのは噛んだり顎を動かす際に支点となる重要な働きをしています。そのために八重歯というのはそのような力に耐えられるよう、全ての歯の中で一番長い歯根を持っています。しかし、八重歯でその役割が果たせないと、他の歯にそのような大きな力がかかってしまい、歯が早くダメになってしまいます。

八重歯を治すメリット

八重歯を治すことによって、虫歯や歯周病にかかりにくくなるので、歯を健康に保ちやすくなって歯が長持ちするようになります。そして、歯が健康になることで全身疾患のリスクを下げることにもつながります。また、不正咬合によって起こる顎関節症や体のあちこちの痛みなどの様々な体の不調を感じることがなくなります。また、噛み合わせのバランスが安定し、しっかりと噛めるようになるので、胃腸に負担もかからなくなりますし、スポーツなどにおいても十分に力を発揮しやすく、有利に働くようになります。

八重歯を治す治療法

八重歯を治す治療法
八重歯を治す治療法としては次の2つの方法があります。

●歯列矯正
歯列矯正というのは、歯に装置をつけ、歯を動かして歯並びを整える方法です。八重歯は歯列(歯並び全体)の大きさに対し、歯の大きさが大きすぎるために起こっているため、歯を数本抜いて(間引いて)十分なスペースを作ってきれいに並べていきます。歯列矯正は全体的に歯並びを整えていきますので、費用は高額で、通常2〜3年くらいかかるのが通常ですが、歯を削ることなく、歯を動かして理想的な歯並びに仕上げることができますので、仕上がりも美しく、健康的です。

●セラミックを被せる方法
矯正装置に抵抗がある、予算をそれほどかけられない、早く八重歯を解決したい、というような場合にはセラミックを被せる方法があります。歯そのものの位置は変えず、歯を削ってセラミックを被せて歯並びを整える方法で、歯列矯正よりも早く歯並びを改善することが可能です。ですが、歯並びによっては健康な歯を大量に削ることになり、中の神経を取らなければならない場合や、邪魔な歯を抜歯しなければならない場合もよくあります。健康な歯を削ると、それだけ歯は弱くなってしまうため、将来的に歯の寿命を縮めてしまう場合もあります。

八重歯を治したい場合、単純に治療費や治療期間を比べて楽な方を選ぶ、ということはせず、将来的なことも考えて慎重に治療法を選択することをおすすめします。


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