審美歯科

歯が一本だけ黒くなっているのはなぜ?考えられる原因と対処法

2018.08.28
歯が1本だけ黒くなっている、もしくは身近な人で歯が1本だけ黒くなっている人を見たことはないでしょうか?周囲の歯の色と比べると明らかに黒っぽい色、暗い色をしている歯がある場合、見た目的に目立ってしまうものですが、それだけでなく、放置しておくとある日突然トラブルを起こすこともあります。今回は、歯が一本だけ黒っぽくなっている場合の原因、対処法について見ていきましょう。

歯が一本だけ黒くなっている場合に考えられる原因

歯が一本だけ黒くなっている場合に考えられる原因
歯が1本だけ黒くなっている場合、次のようなことが考えられます。

●歯の神経が死んでしまっている
歯の色が一本だけ違うという場合に一番疑われるのは、歯の神経が死んでしまっている場合です。自分で神経を抜いたことを覚えている人は、なるほどと納得が行きやすいでしょう。しかし、神経を抜いた記憶がないのに明らかに色が違う場合、知らない間に歯の神経が死んでしまっていることもあります。知らない間に神経が死んでしまう原因としては転んだなどしてぶつけた、という外傷によるものや、虫歯の治療をした部分が神経に近く、神経が死んでしまったというようなケースが考えられます。

●歯並びが一本だけ引っ込んでいる
歯の神経が死んでいなくても、歯並びが単にそこだけ引っ込んでいるせいで、歯ブラシが届きにくく、黒っぽくなっているという場合もあります。歯の神経が死んでしまっているケースでは歯医者でクリーニングをしても色が明るくなることはありませんが、歯ブラシが当たってなくて着色しているケースでは、クリーニングをすれば他の色と同じになります。

歯の神経が死ぬとなぜ歯が黒くなってしまうのか

歯の神経が死ぬとなぜ歯の色が変わって黒っぽくなってしまうのでしょうか。そもそもの歯の色というのは、歯の最表層のエナメル質の内側にある象牙質の色が透けて見えているものです。歯をぶつけると中の神経で出血が起こります。また、虫歯が深くなって、虫歯菌が神経の中に入り込むと、炎症を起こし、内部の血流量が増えます。その出血の際に血液中の鉄分が象牙細管と呼ばれる象牙質の構造内に入り込み、それが変性してしまうことで、歯の色が黒っぽく変色してしまうのです。

歯が黒くなっている場合に放置しておくとこんな危険性も

神経を抜いてもいないのに黒くなっている場合、先ほども触れたように、歯を過去に強くぶつけたことがあるか、過去虫歯の治療をした時に神経ギリギリだったケースが疑われます。しかし、大抵は歯をぶつけた時や虫歯が深かった時の一時的な痛みが過ぎてしまうと、何も症状を感じなくなります。ですが、痛みがないからといって、何も異常がないということにはなりません。このような歯の神経は死んでおり、慢性的な炎症を実は抱えています。そして無症状で歯根の先端に膿を溜めてしまっている場合も多くあります。そしていずれ、体調が不良の時や、なんらかの刺激がきっかけとなって炎症が急性化し、激しい痛みを起こしたり急に大きく腫れてしまうことがあるのです。

歯が黒くなっている場合の対処法

歯が黒くなっている場合の対処法
もし、自分の歯やお子さんの歯が一本だけ黒くなっている場合、一度歯科医院でその歯のレントゲンを撮ってもらうことをおすすめします。もしも歯根の先端周囲に膿だまりが発見された場合、痛みや腫れなどの症状がなくても、神経の治療を受けるようにしましょう。「痛くないから」と放置していると、いずれひどい症状を起こす爆弾を抱えるようなものです。しっかりと歯の内部を消毒してもらい、無菌化することで、大事な歯を抜かずに済みます。

歯が黒くなっている場合の審美的な解決法

すでに黒っぽくなってしまった歯の色はどうやって変えられるでしょうか。神経を失った歯というのは血液成分などで歯の内側から変色していますので、外側から機械的に磨いたり、通常のホワイトニングをしても白くすることはできません。そのため、このような歯が黒い場合の審美的な解決法としては次のようなものが効果的です。

●ウォーキングブリーチをする
ウォーキングブリーチとは、神経を失った歯に対し、歯を内側から漂白する方法です。歯の内側に漂泊の薬剤を詰め、仮蓋をし、希望の白さになるまで、薬剤の交換を続け、最後にしっかりと詰め物をします。歯の形がきれいに残っていて、なるべく自分の歯を残したい場合におすすめの治療法です。

●ラミネートベニアをする
歯の表面を薄く削り、表面にセラミックの薄いベニアを貼り付けるラミネートベニアの方法もあります。形の見た目を変えたい場合にあまり歯を削らずにできる方法です。

●セラミックを被せる
歯の表側にすでにたくさんプラスチックの詰め物が詰まっている、歯の向きや形もきれいに整えたいというような場合には、歯を削って上からセラミックを被せる方法が良いでしょう。

歯の色が違うのは見た目だけでなく、歯の異常が起こっているのを示すサインである場合があります。心当たりのある人は一度歯医者を受診してみましょう。


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