●歯への影響
・象牙質が露出し虫歯にかかりやすくなる
ひどい歯ぎしりが毎日続くと、歯が異常にすり減って、表層のエナメル質がなくなり、内部にある象牙質が露出します。象牙質はエナメル質と違い、酸で溶かされやすいため、虫歯にかかりやすくなります。
・歯にヒビが入る・割れる
歯ぎしり時にかかる力は体重くらいにもなると言われています。そのような力が継続的にかかり続けることで、歯にヒビが入ったり、そのうち真っ二つに割れて歯を抜かなければならなくなることもあります。
・歯周病が進む
歯周病にかかっている歯に歯ぎしりのような強い力がかかり続けると、歯周病による骨の吸収が加速してしまうことがわかっています。
・歯がしみたり痛む
歯ぎしりで歯が異常にすり減って象牙質が露出したり、歯にヒビが入ったり、歯周病が進んで歯根が露出することで、温度刺激でしみやすくなります。また歯にヒビが入ると、噛む時に痛みが出たり、何もしなくてもズキズキ痛むようになることもあります。
・歯の根元が欠けてしまう
歯ぎしりがひどいと、歯の根元の部分がクサビのように欠けてしまう「クサビ状欠損」を起こし、その部分から虫歯や知覚過敏が起きやすくなります。
・詰め物や差し歯が取れやすくなる
強い力が毎日かかり続けることで、詰め物や差し歯が頻繁に外れることも珍しくありません。
●体への影響
・顎関節症を引き起こす
ひどい歯ぎしりは顎関節にも大きなダメージを与え、口が開きにくくなったり顎の周囲に痛みを引き起こしたりする「顎関節症」の原因になります。
・頭痛や肩こりの原因になる
体重ほどの力がかかる歯ぎしりをすることで、噛む筋肉を長時間緊張させ続けることになります。噛む筋肉は周囲の筋肉とも繋がっているため、慢性的な頭痛や肩こり、首の痛みなどの原因になります。
・さまざまな不定愁訴の原因になる
ひどい歯ぎしりが体に与える影響として、慢性的な疲労、めまい、耳鳴りなどのような様々な不定愁訴も多数報告されています。
●顔が老けて見える
ひどい歯ぎしりを放置していると、歯がみるみるすり減って、噛み合わせの高さが低くなっていきます。噛み合わせの高さが低くなると、頬がたるんだり、お年寄りによく見られるようなクシャッとした顔つきになっていきます。また、歯周病が進行してしまう場合には、歯茎が下がり、歯が長く見えるようになるため、これも老けて見える原因になります。
●エラが張り、顔が大きくなる
強い歯ぎしりが毎日続くと、噛む筋肉が発達してしまい、いわゆる「エラが張った」顔つきになります。噛む筋肉が発達すればするほど、顔が大きく見えるようになってしまいます。歯ぎしりがひどい場合の対処法
●歯ぎしりがひどい場合の対処法
1.就寝時にマウスピースをつける
眠っている間の歯ぎしりは無意識で起こりますので、歯や顎関節へのダメージを軽減させるために、就寝時にマウスピースをつける、というのが最もよく行われる対処法です。歯医者で、保険で作ることができますので相談してみると良いでしょう。
2.日中に歯をなるべく接触させない
夜間に歯ぎしりのひどい人は、日中にも上下の歯をカチカチ合わせる癖や食いしばりの癖があることが多いようです。日中のそのような癖自体、歯や体にとってよくありませんので、食事や会話以外の時は歯をなるべく合わせないようにしましょう。その結果、夜間の歯ぎしりも軽減することが多いと言われています。
3.飲酒・喫煙をほどほどにする
アルコールやタバコは歯ぎしりを悪化させると言われていますので、ほどほどにすることをおすすめします。
4.自己暗示をする
布団に入って眠りにつく前に「噛み締めない」「歯ぎしりをしない」と自己暗示をすることも意外に効果があることもわかっています。
過度の歯ぎしりは歯や体に負担をかけすぎるだけでなく、顔の見た目にも影響してきます。心当たりのある人は一度歯科医院で診てもらいましょう。
人気コラム