審美歯科

メタルフリー治療|見た目がきれいで体に優しい治療法!

2017.11.16
「メタルフリー治療」という言葉をご存知ですか?これは「ノンメタル治療」とも呼ばれているもので、歯科治療において、金属を全く使用しない治療のことを意味しています。一昔前までは金属を一切使わずに歯の治療をするのは不可能でしたが、現在は歯科材料・技術の進歩により、全く金属を使用しない治療が可能になっています。

メタルフリー治療が盛んになってきている理由

メタルフリー治療が盛んになってきている理由
メタルフリー治療は、近年盛んに行われるようになってきています。その理由として、患者さん側の審美的要求が高まってきたことに加え、歯科金属による体への悪影響が盛んに取りざたされるようになってきているためと考えられます。少し前までは、審美の面だけに重点が置かれ、「銀歯は安いし、強いから、目立たないところだったら銀歯でいいや」という人が非常に多かったものです。ですが、体への悪影響がだんだんとわかるにつれ、見えない部分の奥歯にも銀歯を極力避ける、という歯科金属離れが進んできている傾向にあります。安岡デンタルオフィスでもメタルフリー治療を希望している患者さんは確実に増えてきています。

金属を使う治療で起こるデメリット

銀歯などの歯科金属を使うことで起こるデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

●金属アレルギー

金属を使う上で起こる、体への悪影響として代表的なのが、この金属アレルギーです。歯科金属アレルギーにかかっている人は年々増えてきています。歯科金属アレルギーの症状として特に問題になるのが、体のあちこちにできる湿疹やアトピーのような皮膚炎です。これは唾液に溶け出した金属イオンが血流に乗って全身に回り、至る所でたんぱく質と結合してアレルギー反応を起こすために起こると考えられています。このような皮膚炎は歯科金属が原因になっていることが判明しづらいため、長い間、皮膚科で全く意味のない治療を続けている、という人も実は数多くいます。

●二次カリエスになりやすく、長持ちしない

銀歯は適合があまり良くなく、歯との間から虫歯ができやすいので、結局は長持ちしません。

●審美的に不利

銀歯が口の中に見えると、暗く、老けた印象を周囲の人に与えます。また、金属イオンが歯茎を黒くする「メタルタトゥー」を引き起こしやすいため、歯茎が不健康に見えてしまいます。

●口臭を起こしやすい

銀歯は歯との隙間から細菌が入り込みやすいですし、銀歯の表面の傷の部分に汚れが溜まりやすいので、強い口臭の原因になることがあります。

●歯が折れやすい

これは神経を抜いている歯の場合で、歯に「メタルコア」と呼ばれる金属の土台を入れるケースにおいて、起こりやすい問題です。メタルコアは、歯根の中に入れる土台ですが、噛んでいるうちに、歯根に対してクサビ効果が働き、硬いメタルコアが歯を真っ二つに割ってしまうことがよくあります。

金属を使わない、メタルフリー治療の種類をケース別にご紹介

金属を使わない、メタルフリー治療の種類をケース別にご紹介
金属を使わずに歯科治療ができるメタルフリー治療には次のようなものがあります。ケース別にご紹介します。

●虫歯が小さい場合には…「コンポジットレジン」

コンポジットレジンとは歯科用プラスチックのことで、主に小さな虫歯や範囲の狭い虫歯、前歯の治療に用いられます。保険が適用されますので、治療費を安く抑えることができます。ただし、年数が経つと変色してしまうデメリットがあります。

●美しく、なるべく費用を抑えたいなら…「ハイブリッドセラミック」

コンポジットレジンとセラミックを掛け合わせた材料で、適度なやわらかさを持ち合わせるので、セラミックより割れにくい、またセラミックより費用を抑えられるという利点があります。ただし、年数が経つと、少し色が変わっていきます。

●とにかく美しさを長く保ちたいなら…「オールセラミック」

とにかく自然な美しさを長く保ちたいという場合には、オールセラミックがオススメです。100%セラミック(陶器の材料)を使用しており、歯との馴染みもよく、二次カリエスのリスクも低いのが特徴です。

●ブリッジなどの力のかかる場所なら…「ジルコニアセラミック」

ジルコニアセラミックはセラミックの一種で金属に匹敵する硬度を持つことから、「白い金属」とも呼ばれています。それでいて、セラミックであるがゆえに、体に悪影響を与えない「生体親和性」を兼ね備えています。ジルコニアセラミックを使うことによって、これまでオールセラミックのみでは作れなかった、特に強度を要するブリッジなどが金属を使わずに作れるようになりました。

●神経を抜いた歯に土台が必要なら…「ファイバーコア」

神経を抜いた歯というのは、歯の高さが失われていることが多いため、被せ物をしっかりと支えるためには、歯根の内部に土台が必要です。保険治療の場合には、金属のメタルコアを使うことが多いですが、これだと、歯根が割れてしまったり、金属イオンが溶け出して歯茎にメタルタトゥーを作ってしまったり、というような問題があります。ファイバーコアはグラスファイバーで作られた土台で、適度なしなやかさを持っているため、歯根が割れるリスクを大幅に減らすことができます。そして、金属を使用していないため、メタルタトゥーを作ることもありません。


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