審美歯科

歯が抜けたのを放置するのは危険!起こりうるトラブル6つ 

2018.04.10
歯を抜いて、面倒なのでそのままにしている、というような人はいませんか?歯を抜いてそのままにしておいても反対側で噛める場合、不便ではないので案外そのままにしてしまっている人は多いものです。しかし歯が抜けた状態で放置していると、気がつかないうちに口の中で変化が起こり、取り返しのつかないことになってしまう場合があります。今回は、歯が抜けた状態で放置することによって起こってくる変化や、それによって起こるトラブル、歯を抜いた後に行う治療法などについて詳しく見ていきたいと思います。

歯が抜けた状態で放置しておくと起こってくる変化

歯が抜けた状態で放置しておくと起こってくる変化
歯が抜けた状態で放置しておくと、気がつかないうちに次のような変化が起こってきます。

●周囲の歯が倒れる、移動する
歯が一本抜けると、それまで保たれていたバランスが崩れてきます。例えば、抜いた歯の前後の歯が倒れる、歯がない方に向かって移動する、というようなことが起こってきます。

●噛み合わせの歯が下りて(延びて)くる
それまで噛んでいた歯も噛み合う相手を失うため、噛み合う場所を求めてだんだんと下りて(延びて)きます。

●抜けた側の歯に歯垢や歯石が溜まりやすくなる
歯が抜けた側というのは、通常ものが噛みにくくなるため、大抵は反対側の方だけで噛むことになります。食べ物を咀嚼する側は、噛みながら食べ物が歯の表面をこすったり、唾液がその部分を循環することで歯の表面に歯垢が溜まりにくいのですが、歯が抜けて噛まない側というのは、食べ物によって歯の表面がこすられるわけでもなく、唾液も循環しにくくなるので、歯垢や歯石が溜まりやすくなります。

●他の場所に噛み合わせの強い力が集中してしまう
歯が抜けた側では噛めないので、抜けた側の反対側でばかり噛むことになってしまいますが、そのことが原因で歯にかかるダメージが過剰になってしまい、歯が割れたり折れたり、歯が移動してしまったりする原因になってしまうことがあります。

歯が抜けた状態を放置することで起こるトラブル6つ

歯が抜けてお口の中で変化が起こり始めると、次のようなトラブルにつながっていきます。

1.噛み合わせが崩壊する
抜いた歯の前後や、それまで噛み合っていた歯が移動してきて、噛み合わせの状態が壊れてしまいます。そうなると、そちら側でまともに噛めないばかりか、いざ歯を補う治療をしようと思っても、噛み合わせを修正するために大幅に歯を削らなければならなかったり、たくさん削るが故に神経を抜かなければならなくなることも多くあります。

2.歯並びが変わって見た目が悪くなる
噛み合わせだけでなく、歯並びが変わってしまうこともあります。特に両奥歯を失ってしまってそれを放置した場合、前歯に負担がかかり始めますが、前歯はもともと強い力に耐えられるようにはなっていないため、下の歯が上の歯を過剰な力で突き上げることで上の歯がだんだん前方に出てきてしまいます。

3.早く歯を失う
歯が抜けているのを放置していると、他の部分に過剰な負担がかかるので、次々に歯がダメになっていく負のループに入ってしまいやすくなります。そのため、結果的に歯を早く失うことにつながってしまいます。

4.抜けた側の反対側が虫歯や歯周病になりやすくなる
抜けた側は物が噛めないので、食べ物による摩擦や、唾液の流れがなくなり、歯垢や歯石が溜まりやすくなるため、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。

5.顎関節症になってしまう
歯が抜けて噛み合わせが崩壊してくると、噛むときにズレなどが起こったり、噛む筋肉がアンバランスに働くようになったりするため、口を開閉する際に雑音がしたり、口を開けにくい、顎が痛い、というような症状を引き起こす「顎関節症」を起こしやすくなります。

6.顔が歪んでしまう
歯が抜けると、抜けた反対側でばかり噛むようになるため、左右のどちらかは引き締まった状態になり、もう片方は筋肉が使われずにたるんだ状態になっていきます。そのため、左右非対称な歪んだ顔になってしまいます。

歯が抜けた時の治療法

歯が抜けた時の治療法
歯を抜いたら、できる限り早めに歯を補う治療法を行うのが望ましいでしょう。歯を補う治療法としては、大きく分けて、インプラント、ブリッジ、入れ歯の3つがあります。

●インプラント
歯を失った部分の骨に人工歯根を埋め込んで歯を立てる方法です。もっとも自分の歯に近い感覚で噛めるようになります。体や顎の骨の条件などで行えない場合があります。

●ブリッジ
歯を失った両隣の歯を削って、連結したクラウンを被せて固定する方法です。失われた歯が少数の場合にもっともよく行われている方法ですが、歯をたくさん削らなければならないデメリットもあります。

●入れ歯
歯を1本失った場合から全て失った場合まで、どんな場合にも対処できる治療法です。取り外し式の歯であるため、外して洗えるなどお手入れしやすい利点もありますが、他の方法に比べ違和感が強く、外れてしまうことがあるという難点があります。

歯を補う治療法を簡単に説明すると以上のようになりますが、どの方法が合っているか、というのは個人によっても異なりますので、詳しくは担当の歯科医師とよく相談して決めるようにしましょう。


^