また大きなトラブルはないものの、歯の形や大きさに悩みを持つ方にも、この審美修復治療で美しい口元を作り出すことが可能です。逆に美しさばかり求め、肝心の機能面が疎かになってしまうと後にトラブルに発展し、結局は治療のやり直しになりかねません。歯本来の正しい機能を修復し、見た目の美しさを追求する治療、それが審美修復治療の目的です。
●前歯など、見える部分の虫歯
前歯は特に目立つ場所です。虫歯で茶色くなっていたり黒くなって穴が空いてしまっていたり、または歯がかなり溶けてしまっているなど、見える部分の虫歯に悩む方は多いでしょう。
●金属の詰め物や被せ物
奥歯に銀歯があると、口を開けたときに目立ってしまいます。銀歯が白くなるだけで、かなり印象が変わります。
●矮小歯
矮小歯とは、他の歯に比べて小さい歯のことを言い、そのことが自分の中でコンプレックスと感じる方も多いようです。
●すきっ歯
前歯の間に隙間がある場合(正中離開)や、歯全体が小さく隙間がある場合、また歯の根元に隙間がある場合(ブラックトライアングル)など、すきっ歯も気になる症状と言えます。
●ホワイトニングなどで改善できない歯の色の変色
歯を白くする方法は、歯のクリーニング(PMTC)やホワイトニングがあります。ところが歯の神経を取った場合は歯がグレーっぽく変色してしまいます。またテトラサイクリン系抗生物質の服用により、歯が変色してしまう場合があり、どちらも歯のクリーニングやホワイトニングでは改善できません。このような歯の色の修復には、審美修復治療が効果的です。
●ラミネートベニア
ラミネートベニアは、歯の表面をごく薄く削り、歯の表面にセラミックなどのシェルを貼り付けて、自然な白さに見せるための審美的治療です。場合によっては歯を削らなくても良いこともあります。この治療は白く美しい歯を得ることができます。またホワイトニングで歯を白くすることができない歯に対しても、ラミネートベニアで美しく修復することができます。
歯を削ることに抵抗があるとお考えの方もいるでしょう。しかしラミネートベニア治療を行う上で削る部分は、ごくわずかです。審美的な美しさと機能性を併せ持った治療により美しく生まれ変わった歯を見て、精神的に得る充足感は大きいのではないでしょうか。
●セラミッククラウン
差し歯が金属の被せ物、いわゆる銀歯を審美修復治療で白く美しい被せ物に治すことができます。金属の被せ物は接着性に問題があり、同じ歯が再び虫歯になる二次カリエスのリスクが高くなります。また土台にも金属を使っており、金属アレルギーの心配や、経年劣化とともに歯ぐきの黒ずみなどが現れてきます。
これに対し、セラミックやジルコニアなどの素材を用いたセラミッククラウンは見た目が美しく、接着性にも非常に優れています。そのため二次カリエスのリスクが低いこと、また生体との親和性もよく、アレルギーの心配がないことから、機能性はもちろん、体にも優しい治療です。そして土台も金属ではなく、白くしなやかなグラスファイバーコアを使うことで、歯の根にかかる負担を軽減することができる非常に優れた治療法です。
●ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングは、レジン(歯科用プラスチック)を直接歯に塗布し、光で硬化させる方法です。これは小さな虫歯などのケースでは保険治療でも用いられますが、自費治療であるダイレクトボンディングは、保険のものと比べて色調や素材がより良いものが使われます。ごく狭い隙間のすきっ歯や、歯が欠けてしまった部分、歯ぐきの際の目立つ虫歯などで用いられます。
●ポーセレンインレー
インレーとは詰め物のことで、銀歯の詰め物をレジンやセラミックなど、白いもので詰める治療です。ぱっと見ただけでは詰め物があるとわからないほど、自然な白さが特徴です。
●カンタリング
カンタリングとは、「審美的輪郭形成」と呼ばれる治療法で、歯の形態が悪いものや、歯の不均衡に対して歯の表面をごくわずかの範囲で削り、調和の取れた歯に整える方法です。例えば尖った部分を少しだけ研磨することで、全体のバランスを整えるなど、見た目のバランスや歯の形を揃えるために行われる治療です。削る範囲はエナメル質の範囲のため、歯がしみるなどということはほとんどありません。
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