審美歯科

太っていないのに二重アゴなのは歯並びが原因かも

2018.09.10
二重アゴというと、太っている人の特徴の一つですが、別に太っているわけではないのに、二重アゴになってしまう場合があります。太っていないのに二重アゴになってしまう原因として、食事の時によく噛まなくなった、長時間のスマホで表情筋を使わなくなった、というような原因も指摘されています。確かにそれも大きな原因として考えられるでしょう。ですが、中にはたとえよく噛んでいたとしても、スマホなどをあまり見ていなくても、痩せているのに二重アゴになってしまうケースというのはあります。そのような場合、歯並びが原因になっている可能性もあります。今回は、歯並びが二重アゴの原因になってしまうケースについて見ていきたいと思います。

太っていないのに二重アゴ・・それはアデノイド顔貌が原因かも

太っていないのに二重アゴ・・それはアデノイド顔貌が原因かも
歯並びによって顔つきというのは随分変わるものです。特に骨格にまで影響が出てしまっている歯並びの場合にはなおさらです。太っていないのに二重アゴになるのも、歯並びが関係している可能性があり、その中でも「アデノイド顔貌」という顔つきが原因になっていることがよくあります。

アデノイド顔貌(がんぼう)とは

アデノイド顔貌というのは現代の日本において増えてきている顔つきだと言われています。名前だけ聞くと特殊な顔つきのように思われるかもしれませんが、特徴を見ると、周囲で良く見かける顔つきですし、芸能人にもたくさん当てはまる人がいることがわかると思います。アデノイド顔貌の特徴は次のようなものです。たくさん当てはまるほど、アデノイド顔貌の疑いが強くなります。

●アデノイド顔貌の特徴
・二重アゴである
・下アゴが引っ込んでいる
・輪郭がぼやけている、たるんでいる
・下ぶくれである
・面長
・唇を閉じようとすると、アゴに梅干しのシワができる
・口をよく開けている
・出っ歯気味
・歯並びが狭く、ガタガタに並んでいる
・鼻の下が長い
・鼻が低くて鼻の穴が小さい
・口臭が強い
・中耳炎を起こしやすい
・いびきがひどい

アデノイド顔貌の原因は

アデノイド顔貌の原因は
アデノイド顔貌になる大きな原因として、口呼吸が挙げられます。アデノイドというのは、鼻の穴の奥にあるリンパ組織の名前で、咽頭扁桃(いんとうへんとう)とも呼ばれています。アデノイドは扁桃腺と同じように、外から入ってきたウイルスや細菌の侵入を防ぐ役割を担っています。アデノイドは2歳〜5歳くらいの頃に大きく肥大しますが、これは、免疫が弱いゆえに起こる生理的な反応だと考えられています。

アデノイドの肥大により鼻呼吸が難しくなるこの年齢くらいの子供においては、口呼吸が多くなりますが、その後は通常アデノイドはだんだん小さくなっていき、自然と鼻呼吸へと切り替わっていきます。しかしその口呼吸が癖となってしまい、慢性化してしまうと、口の中が乾燥し、ウイルスや最近などが体内へ入りやすくなってしまうことでアデノイドの肥大が継続することがあります。また、アデノイドが肥大しなくても、口呼吸を続けることで、口呼吸に適したような骨格に変わっていきます。つまり、成長期に口呼吸をしていると、口周囲の筋肉の発達や顎の骨の発達にまで影響を及ぼし、だんだんと顔つきが変わっていってしまうのです。

アデノイド顔貌のデメリット

アデノイド顔貌は次のように、様々な面でデメリットがあります。

●劣等感を感じやすい
二重アゴ、下ぶくれ、締まりのない顔、乱れた歯並びが劣等感の原因になることが少なくありません。

●風邪やアレルギーを起こしやすい
口から呼吸をするため、病原体やホコリが直接喉に行きやすく、風邪やアレルギーを起こしやすくなります。

●虫歯・歯周病・口臭の原因になりなすい
口で呼吸をしていると、口内が乾燥し、虫歯や歯周病を起こしやすくなります。また口臭も強くなりがちな傾向があります。

●滑舌が悪くなりやすい
歯並びや骨格のせいで滑舌が悪くなりがちで、コミュニケーションにも影響を与えることがあります。

●睡眠時無呼吸症候群になりやすい
起きている時も寝ている時も、口で呼吸がしやすいように、舌が喉の方に落ちる「低位舌」の状態になりやすく、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなります。酸素がうまく取り込めないため、日中もボーっとしがちで集中力の低下、学力の低下が起こる場合も少なくありません。

アデノイド顔貌への対処法

アデノイド顔貌は成長期に口呼吸をしていることで引き起こされます。そのため、アデノイド顔貌を防ぐためには、子供の頃からのアプローチが大切です。もし、お子さんが口で呼吸をしているようであれば、まずはその原因を突き止め、耳鼻科的な問題、癖などを治して、鼻呼吸に持っていくことが大切です。もしもすでに口呼吸によって歯並びや顎の骨の成長に影響が出ている場合なら、矯正治療をすることで対処が可能です。

大人のアデノイド顔貌の場合は、すでに骨格が出来上がっているので、顔つきを変えることは簡単ではありません。ですが、口呼吸を治し、筋肉の使い方を変えるだけでもいくらか顔が引き締まる、というような効果は期待できるでしょう。もしも顔つきを変えたい、というような場合には、矯正治療や顎の外科手術などをする必要が出てきます。


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