審美歯科

オールセラミックは美しいだけじゃなく歯や体に優しい治療法

2018.03.22
セラミックというと陶器のことですが、歯の治療にもセラミックは使用されています。オールセラミックというのは、その名前の通り、全てがセラミックでできているもので、詰め物や被せ物、差し歯として使われます。オールセラミックは、天然歯と見間違うような自然な美しさが最大の魅力で、最近非常に人気があります。ですがオールセラミックは単に美しいだけでなく、歯や体に優しい、生体親和性に優れた材料としても大変注目を浴びており、歯や体を健康に保ってくれるという大きなメリットがあります。オールセラミックとは具体的にどのような優れた特長を持っているのか見ていきましょう。

オールセラミックとは

オールセラミックとは
オールセラミックはセラミック治療の一つで、全く金属を使用しないで全てセラミックだけでできている歯の詰め物や被せ物のことです。セラミック治療でよく行われている治療としてはこのほかにメタルボンドというものがあります。これは金属のフレームの上にセラミックを焼き付けているもので、主にブリッジに代表されるような、強度が不安な場合などで行われます。しかし最近では、ジルコニアと呼ばれる非常に強度に優れたセラミックの一種を使うことで、金属のフレームを使わずに、セラミック素材だけでブリッジなども作れるようになってきました。

オールセラミックの主な治療法

オールセラミックの主な治療法には次のようなものがあります。

●オールセラミックインレー
全てがセラミックで作られた詰め物のことです。周囲の歯の色に合わせて作るため、自然な仕上がりになります。また、プラスチックのように変色してくることもありません。

●オールセラミッククラウン
全てがセラミックで作られた被せ物のことです。金属のフレームを持つメタルボンドクラウンと違って、光の透過性に優れ、天然歯のような仕上がりにすることができます。また金属を使用しないので、唾液に溶け出した金属イオンが歯茎を黒変させてしまう「メタルタトゥー」を作ることもありません。

●オールセラミックブリッジ
オールセラミックブリッジは全てセラミックでできたブリッジです。ジルコニアセラミックを使用することで、金属を全く使用しないブリッジが可能となりました。このことで審美性が大きく改善し、また、金属アレルギーの人にもブリッジが安心して入れられるようになりました。

オールセラミックはここが優れている!

オールセラミックはここが優れている!
オールセラミックの優れている点を具体的に挙げていきましょう。

1.審美性に優れる
オールセラミックは、色調の細かな調整が可能で、周囲の歯の色に極力近づけることができます。また、透明感に優れているため、天然歯のような美しい見た目にすることが可能です。そして傷がつきにくく、材質的にも安定していて劣化しにくいため、年数が経ってもプラスチックのように黄ばみのような変色が起こることもありません。

2.金属アレルギーの心配がない
オールセラミックは金属を含まないので、金属アレルギーのある人でも安心です。また、セラミック自体も材質的に安定しており、成分が溶け出して体に害を与えるということもありません。

3.二次カリエスになりにくい
セラミックは表面に傷がつきにくく、歯垢が溜まりにくいという特長を持っています。さらに、歯との適合が非常に良く、銀歯と違ってセラミックと歯の間に隙間ができにくいため、虫歯の再発(二次カリエス)が起こりにくく、保険の材料と違って、一度入れたら長持ちする傾向があります。

4.メタルタトゥーを作らない
オールセラミックは一切金属を使用しないため、金属が唾液中にイオンとなって溶け出し、歯茎を入れ墨のように黒変させてしまう「メタルタトゥー」を作ることがありません。かつては差し歯を入れると歯茎が黒くなるのが当たり前のようになっていましたが、オールセラミックがある今、そのような心配をする必要はありません。

5.歯周病になりにくい
セラミックは傷がつきにくいので、歯垢が付きづらく、歯茎にも炎症を起こしませんし、口臭の原因にもなりません。それに対して、保険のプラスチック素材の場合、表面に傷がつきやすいため、歯垢が溜まりやすく、それによって歯茎が赤く炎症を起こしやすくなりますし、口臭も出やすくなります。セラミックにすることでこのような歯茎のトラブルも未然に防げるので、歯周病で将来的に歯を失うリスクを下げることができます。また、歯周病は全身の様々な病気(心臓病、脳梗塞、糖尿病、肺炎などとも関連していることから、オールセラミックにすることで歯周病になりにくくすることは、体の健康状態を良くすることにもつながると言えるでしょう。

このように、オールセラミックには審美的なメリット以外にも様々な健康上の利点があります。また、劣化しにくいため最も長持ちする材質であると言っていいでしょう。詰め物、被せ物をする際にはぜひオススメの材料です。


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