ホワイトニング

どうしてホワイトニングは歯が白くなるの?

2017.09.28
美しい口元を作り出すために欠かせないのは、白く輝く歯です。近年の審美志向が高まる中で、特にホワイトニングが性別、年代を問わず注目を集めています。このホワイトニングですが、なぜ歯を白くすることができるのか、そのメカニズムや特徴についてご説明します。

顔の印象を決定付ける歯の色

顔の印象を決定付ける歯の色
口元は、顔全体の印象を大きく変えるほど影響が大きいものです。白く美しい歯と比べると、黄ばんだ歯は口元だけでなく、顔全体の印象がくすんでしまうため、せっかくの笑顔にも自信が持てないのではないでしょうか。また、白い歯と黄ばんだ歯では、相手に与える印象も異なってきます。

白く透明感のある歯は、清潔感や若々しいイメージを与えますが、歯の色ひとつで真逆の印象を与えてしまうことがあります。この歯の黄ばみを落とすことは日常の歯磨きだけでは難しいため、歯そのものを白くするためにはホワイトニングが最も有効です。

なぜホワイトニングで歯が白くなるのか

ではなぜホワイトニングで歯が白くなるのでしょうか。歯の黄ばみの原因とともに、なぜホワイトニングで歯が白くなるのか、そのメカニズムをご紹介します。

●歯の黄ばみの原因
歯の黄ばみやくすみの原因は「加齢」「遺伝」「着色など歯の表面の汚れ」の3つが考えられます。歯はいちばん外側のエナメル質、内部の象牙質そして歯髄(歯の神経)という3つの層から成り立っています。象牙質は黄色~褐色で、半透明色のエナメル質から透けて見えます。加齢による原因は、内部の象牙質が年齢とともに色濃くなることから、黄ばんで見えるのです。

着色による汚れは、タバコやコーヒー、カレー、しょう油などを長年にわたり摂取することから、徐々に歯に汚れが蓄積されてきます。着色による歯の表面の汚れは、歯のクリーニングで落とすことができます。

●ホワイトニングのメカニズムとは
「ホワイトニング=歯の漂白」と思われがちですが、正しくは、「歯の黄ばみの色素を分解し、歯の表面の構造を変化させること」です。ホワイトニングは、歯の表面にホワイトニング薬剤を塗布することで色素を分解していきます。このホワイトニング剤は漂白剤ではなく、過酸化水素や過酸化尿素を主成分とした薬剤です。この薬剤を歯の表面に塗布し、光や熱を加えることで歯の黄ばみとなる色素を分解します。

しかしこの黄ばみとなる色素を分解しただけでは、歯は白くなりません。歯の表面は固い半透明のエナメル質で覆われており、内部には象牙質と呼ばれる組織があります。象牙質は黄色~褐色の色のため、エナメル質から内部の象牙質の色が透けて見えてしまいます。そこでホワイトニングの薬剤がこのエナメル質をマスキングし、光が乱反射することで歯が白く見えるのです。

歯のクリーニングは、歯の表面の汚れのみを落とし、ご自身の歯本来の色を取り戻すことが出来るのに対し、ホワイトニングは歯の内部の色素を分解し、歯の表面組織を変えることで、元の歯よりも白くすることができるのです。

ホワイトニングの後戻り、再着色について

ホワイトニングの後戻り、再着色について
ホワイトニングには、歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」、自宅で行う「ホームホワイトニング」、そしてこの2つを併用する「デュアルホワイトニング」があります。

●後戻りしやすいのはオフィスホワイトニング
一度で歯を真っ白にできるのは、オフィスホワイトニングです。歯科医院で薬剤を塗布し、光を当てて色素を分解するため、短時間で驚くほどの効果が出ます。しかしその効果は2~3ヶ月と短く、徐々に後戻りが始まります。これに対し、自宅で行うホームホワイトニングの効果は緩やかですが、持続期間が6ヵ月~1年と長いことが特徴です。

ではなぜ後戻りが起こるのでしょうか。それは歯の表面を覆っているエナメル質の再石灰化によるものが考えられます。日常生活において、歯の表面はカルシウムやリンが溶け出し、唾液の成分により溶け出したカルシウムなどを補う「再石灰化」が繰り返されています。そのため、ホワイトニングを行ったものの、エナメル質の組織変化が生じた歯の表面が再石灰化されることで、だんだん後戻りしてくるのです。言い換えると、歯がホワイトニング前の状態に戻っていくことは歯の再石灰化が正しく行われており、歯そのものが健康であることの証でもあるのです。

●再着色について
再着色とは、食べ物や飲み物の色素が、ホワイトニングを行った歯に付着することを言います。歯の表面は「ペクリル」と言う薄い膜が付着しています。ペクリルは、歯の表面を外からの刺激から守る防御作用があり、特にエナメル質の保護作用の役割を果たします。ホワイトニング直後は、このペクリルが剥がれている状態となります。ペクリルは約1日で形成しますが、ホワイトニング直後にコーヒーやカレーなどといった着色しやすい飲食物を摂取すると、ペクリルが再生される際に、一緒に色素を取り込んで歯に付着してしまいます。オフィスホワイトニング後24時間は、着色しやすいものを摂取することを控えるようにして下さい。

またペクリルそのものが、色素が付着しやすいという特徴があるため、日常の飲食物で着色しやすくなってしまうのです。普段の歯磨きを、ステイン(着色)分解、予防のものを使うなど、日常の着色汚れにも気をつけると良いでしょう。

再石灰化が口腔内で自然に行われることと異なり、再着色は、ご自身で防ぐことができます。コーヒー、紅茶、ウーロン茶、コーラ、赤ワインなど色素の濃い飲み物、カレー、ミートソース、しょう油なども着色しやすいため、オフィスホワイトニング後24時間は、避けたほうが良いでしょう。タバコもヤニが付着しやすいため、オフィスホワイトニング後の24時間は禁煙するようにして下さい。

ホワイトニングを行っても効果がない歯とは

歯を白く美しくするホワイトニングですが、効果がない歯もあります。

●詰め物、被せ物を行った歯
セラミックやCADなど、白い被せ物はホワイトニングを行っても白くなりません。またレジン(歯科用プラスチック)を詰めた部位も、白くなりません。ホワイトニング後に被せ物よりも天然歯が白くなり、バランスが悪くなることがあります。

●神経を取った歯
神経を取った歯はグレーっぽく変色してしまいます。ホワイトニングである程度目立たなくすることは可能ですが、真っ白にはなりにくいため、ホワイトニングを行った歯と色の差が出てしまうことがあります。

●抗生物質により変色した歯
テトラサイクリン系の抗生物質を服用することにより、歯の色が変色することがありますが、この変色はホワイトニングでは効果がほとんどありません。ラミネートベニア法や、セラミックでの治療で改善する方法が選択肢として考えられます。

歯を白く保つためには、再着色を防ぎ、継続的なホワイトニングを

ホワイトニングを行うと、なぜ歯が白くなるか、また再着色などについてもご説明しました。白く美しい歯をキープするためには、ホワイトニングの継続と、再着色予防です。笑顔溢れる毎日を送るためにも、歯の黄ばみやくすみでお悩みの方は、ホワイトニングの実績が多い歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか。


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