●虫歯の初期段階
歯磨きが不十分で歯の表面に歯垢がたまっている状態が続くと、その部分が酸性に傾き、カルシウム成分が抜け出してきます。その状態を脱灰といいますが、それにより歯が白く濁ってきます。この状態が続くと、歯に穴が開くことになります。この場合、ホワイトスポットはエナメル質のごく表面に存在します。
●エナメル質形成不全
エナメル質形成不全というのは、乳歯から永久歯に生え変わる前の段階で、永久歯が骨の中で作られている時期に何らかの原因でエナメル質が完全に作られなかった場合です。軽度の場合は色がつくだけですが、重度の場合には歯の表面に窪みができることもあります。エナメル質形成不全の場合には、エナメル質の内部にホワイトスポットができています。エナメル質形成不全で歯にホワイトスポットができるのは日本ではそう珍しくはなく、10人に1人くらいの割合で見られると言われています。
●全身的な原因
全身的な原因で起こる場合、複数の歯に左右対称にエナメル形成不全が起こるとされています。ビタミン不足、カルシウム不足のような栄養障害、生後一年くらいの時期に起こった熱性の病気や発疹性の病気やそれに対する抗生剤(アモキシリン)の影響、早産、高濃度のフッ素摂取などが原因になると言われています。
●局所的な原因
局所的な原因の場合、その原因の部分にのみエナメル形成不全が起こるとされています。例えば、乳歯の時に歯を強くぶつけた、乳歯がひどい虫歯になって歯根に膿を持った、というようなことが原因になります。
ただ、フッ素だけでホワイトスポットが消えるということはあまり期待できないでしょう。見た目が気になるという場合には、次のような方法があります。
●ホワイトニングをする
歯の色を全体的に白くすることで、ホワイトスポット部の白さを目立たなくすることができます。しかし、場合によっては逆に目立つようになる場合もあるので注意が必要です。
●コンポジットレジンを詰める
ホワイトスポット部だけを削り、その部分に樹脂である歯の色をしたコンポジットレジンを詰める方法です。ただし、年月とともに変色してきますので、気になったらまた詰め直しが必要になります。
●ラミネートベニアをする
歯の表面を薄く削り、セラミックの薄いベニアを貼り付ける方法です。削る量は少ないですが、削ることには変わらないので慎重に決めることをお勧めします。
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